みなさん、自分のカラダ。調子のいいときと悪いとき。
カラダの動きが違うということを自覚したことがありますか?
たいていの場合、「カラダが重い」「腰が痛い」などの自覚症状であることが多い。
客観的に”動きが違う”。そんなことがわかれば、痛みやだるさが来る前にチェックができるのでは。
そんな話をしたいと思います。
なんで動きを感じることが必要なのか
冒頭にも書きましたが、”重い” や”痛い”などの自覚症状。
それがないなら治療しなくていいじゃん。
そう思いますよね。
理学療法士として臨床で経験すること。
動きの悪さを改善することで、痛みが軽減することが多い。
痛みが出ている方は関節、筋肉の機能が低下していることが多い。
理学療法士の教科書にもこんな文面があるんです。
「…ほとんどの症例で,痛みを生じる前に何らかの外傷・障害やトレーニング内容が原因で機能不全を生じていたことを推察できる。
機能不全がある状態でプレーを続けてもすぐには痛みを生じないが、機能不全の状態でプレー、トレーニングを続けることによってやがて痛みが生じるようになる。機能不全はあるが痛みを発生していない状態をCookらがdisfunction&no pain(DN)と評価している。…」(参考文献1)
ということは、重さや痛みを自覚した時点では、関節や筋肉の機能の低下(機能不全)が存在する可能性が高いということです。
トップアスリートでは、「なんか〇〇が…」といって、カラダを扱ったり、動かしたり。
はっきりしない訴えをする選手が多くいます。
もしかすると自分のカラダを感じる感度が高いのかもしれませんね。
アスリート
先日、日本のトップレベルのアスリートのコンディショニングを行う機会がありました。アスリートは「身体の調子いいとき、悪いとき」をなんとなく自分でわかっています。一般の方々に比べるとカラダと向き合う機会も多く、情報も入りやすいので「自分で〇〇が悪そう」と訴えることもあります。でも前で書いたとおり、何となくわかる程度が多いです。
具体的ではなく、本人の主観によるものであることが多いです。
専属のトレーナーがいる場合は、トレーナーが管理することが多いですね。
数値でコンディションを管理することもあります。
代表チームなどで用いられているものとしては、
身体に運動負荷をかけ、心拍数で疲労度を管理する。
ヨーヨーテストなどがそうです。
リカバリーにかかる時間で疲労度をチェックする方法です。
今回、弊社が提案するものは動きの質の部分。
歩行
ちょっと話が逸れますが、基本動作の歩行の話。
いわずと知れた歩くということ。
ただ歩くという動作でも個人差があります。
重心の移動の仕方。脚の恰好。
足の着き方、離し方。
数えきれないほどの項目が出てきます。
歩行をネットで検索すると、Wikipediaで出てます。当たり前か(笑)
横からみた(矢状面)歩行の動画も載ってます。
動画をみると骨盤が絶妙に動いていることがわかると思います。
両脚を前後に入れ替えることによって頭、体幹部分が過剰に左右に振れることなく歩けているのもこの骨盤の動き。
コンディションを整える
スムーズは動作を遂行するときに、身体に生じた障害が阻害因子になることもあります。
「昔、大きな捻挫をして。」「脊柱管狭窄症で腰が痛くって」
気付かないでしょうが、痛みがでてなくても自然と身体をうまく動かして、
”かばう”ような動作になることがあります。
かばうということは、関節の動きも円滑ではないということ。なんでぎこちなく動いてしまうのか。筋肉や関節の機能が低下してしまったのか、それとも痛みがでるという恐怖心からそうなっているのか。
バスケットボール選手
今回はオフシーズンから代表合宿のかけてのサポートでした。
いろんなケガも影響もありますが、まずはできる限り機能障害を改善していきます。
徒手で関節の動きをよくするアプローチ「ジョイントメンテナンス」です。
日常生活動作でも関節の動きが悪いとカラダに癖がでるもの。
動きを整えてはまた戻りの繰り返しで4日。
しっかりカラダにいい動きが定着してくれました。
オフシーズンなので運動負荷は軽い強度のみ。
これから代表合宿に参加。さすがに合宿なので運動強度はアゲアゲ(笑)
カラダの調整をするような腹式呼吸やスクワットなどの指導はあったようです。
写真を見てみると、左からアプローチ前⇒アプローチ後⇒合宿後。
歩行の動画を撮影し、左右の脚で、足底がフラットについた瞬間を切り取りました。踵からの垂直線、左肩からの水平線をひいてます。
4日間のミニキャンプでは、両脚への体重移動を体幹部分で代償したり、踏み返しの幅を狭くして対応していたりと、本来のカラダの機能を十分に使ってませんでした。
代表合宿でもっと偏りが大きくなるかなと思って送り出していたのですが、
びっくりするくらい対応できるカラダになってました。
詳細は書けませんが、チェックポイントが複数あり、
それぞれでいい方向に向かっているようです。
この選手に関しては、よい状態と判断するよい指標になりそうです。
今後、パフォーマンスを向上させる指標として使えそうですね。
合宿での過ごし方がカラダに合っていることを確認。これも客観的に評価してみないと「感じいいかも」で終わってしまいます。
左⇒中央⇒右と痛みを生じていた患部も調子がよさそう。
動きを作る=”よいコンディションである”ことに繋がっているようです。
いいものは継続ですね。
シーズン通してしっかりコンディションを整えることができるといいですね。
フィジコ
弊社では、ココのカラダにあったコンディショニング、エクササイズ、
また健康維持のための情報提供を行っています。
運動を楽しむにしても、仕事を頑張るにしても、カラダをより良い状態にキープしておくことが必要です。日々変化するカラダを自分でチェックできる。
「自分の基準」を持っておくことをお勧めします。
参考文献
1)仁賀定雄:スポーツと骨盤・鼠径部痛,臨床スポーツ医学,vol35 no1, p48-53, 2018